グリーフを抱える人のための自助グループやサポートグループ
自助グループ(分かち合いの会)・サポートグループとは
喪失直後には、多くの人が進んであなたに温かい手を差し伸べてくれましたが、一般に人が考える喪失への適応の時間は実際必要な物よりずいぶん短かく、他人からの助けは早い時期に亡くなってしまうのが普通です。また、家族のメンバーはもちろん大きな援助ですが、彼らもまた喪失に苦しんでいますし、家族間で喪失のとらえ方が違うと、逆に家族は利害関係が対立してしまう事もあります。
それに対して、共通な悩みをもつ、あるいは共通な難しい経験をした人たちがお互い支えあうために集まって出来ているのがグリーフを抱える人のための自助グループやサポートグループです。語り、聞いてもらい、人の話を聞く、のに最良の環境のこういったグループへの参加は大きな助けになるというコメントを多く聞きます。
もちろんこういった自助グループへの参加にも「ちょうど良い時期」があり、自分で「行ってみよう」と思える時期が来た時が「ちょうど良い時期」と思われます。また、参加をしてみて、「死別体験を語るのが辛すぎる」「どうしてもほかの参加者と自分を比べてしまう」「リーダーや会の雰囲気が合わない」と感じるときは、深く悩んだり、無用な不満を抱いたりせず、しばらく時間を置いたり、参加するグループを変えてみるのも良いかもしれません。
自助グループ(分かち合いの会)・サポートグループの効用
- お互い理解したい、支えたいという気持ちがあるので自分の問題や悩み、気持ちを安心して表現しやすい雰囲気がある一種のシェルターである
- 参加メンバーは皆死別を体験しているので、「自分だけなのではない」「異常なのではない」「一人ぼっちではない」と感じることが出来る
- 家族観や、親戚、友人のように利害関係がないので、本当に感じていることを気兼ねなく発言できる
- 参加者は「支えられる人」でもあり、また同時に「支える人」でもある。他者を支えることは自分の支えになる。
あるがままの自己を容認する事、自信を持つ助けとなる - 他者の経験を聞くことで気付きがある
- セルフヘルプグループに参加するために「日時の調節をつけ家から出る」という行動を起こすことになる
自助グループ(分かち合いの会)・サポートグループのタイプ
オープンタイプの自助グループ(分かち合いの会)
- 自発的に継続的な参加をすることが前提です
- 通常グループは同じ苦しい経験をして乗り越えてきた「先輩」が主催・運営しています。(*主催者は喪失経験の先輩ではあるが、グループリーダーとして、あるいはグリーフにかかわる専門的なトレーニングを特に受けていない場合も良くあります)
- 基本的に自由参加です。
- リーダーの資質により会の雰囲気が決定することが多いので、合う、合わないが起こりやすいかもしれません。
クローズタイプの自助グループ(サポートグループ)
- NPO、宗教団体、病院、葬儀社などが主催する自助グループで、非常にグループカウンセリングに近い形態です (という意味では厳密には「自助」ではないとも言えます)
- 専門家のファシリテーター(進行役)がいることが多い
- 複数回のミーティングがあらかじめ決められていることが多い
- 会場の確保がされている
- 主催者によってはワークショップ、課外活動などを用意していることも
- 主催者によっては参加者との関係が微妙なケースもありえる(例:病院主催だが故人が死亡したその病院に行くこと自体が苦痛である、宗教団体の主催でファシリテーターのコメントに宗教色が強いなど)
全国の自助グループ・サポートグループ
参考までに自助グループ・サポートグループの代表的なものを自助グループに関する情報で紹介しています。グループによって死因や死者の立場などで特化されている場合もあります。