故人の軌跡をたどる

写真で故人を偲ぶ

亡くなった人をもっとも鮮明な形で思い出させるのが写真でしょう。また、故人と故人を知る人々が想い出を共有し、語り合うのに写真以上に適したものがあるでしょうか。
故人のアルバムをたどれば、幼少期からのその人の歴史をたどることが出来、改めて見ると自分の知らない故人の一面を発見することもあります。 一緒に撮った写真はその時の思い出を鮮やかに思い出され、写真を撮った時の事、その前後の事も思い出し、記憶の扉が次々と開いていくように感じられます。故人が写っていない写真でさえも「故人が撮った写真」として思い出すこともあるでしょう。
また、葬儀の時に急いで、混乱の中で選ん遺影の写真は、後から見ると「自分の思いだす故人の姿」とはずいぶん違ったものであるのもよくある事で、ゆっくり数枚の写真を選ぶ良い機会となると思います。
デジタルカメラの時代になり、撮る写真の枚数が飛躍的に増えてきた昨今では、写真を印刷することも少なくなってきましたが、逆にその多くの素材の中から選び抜いた写真を印刷し、昔ながらのアルバムを作るのはどうでしょうか。印刷された写真と、コメントの付いたアルバムはあなただけのものではなく、家族や友人と一緒に眺め、故人の事を語りながら偲ぶのに中心的な役割をしてくれるはずです。

追悼集を作る

想いを記すに詳しく説明していますが、アルバムよりもう少し文章を重視した、「故人へ捧げるアルバム」を製作することが出来ます。

故人の伝記を書く

中には本格的に故人の人生を文章で残す人、私家版の出版を行う人もいます。資料を探し、話を聞き、文章を書くのは非常に大きなプロジェクトです。写真やパスポート、日記帳を使って、故人の人生をたどり、また、家族のメンバー、故人の友人、故人の幼馴染などから故人の思い出を聞き出したり、書いてもらったりする作業を通して、多角的に故人を見つめ、自分の知らない故人の姿を知ることも可能になります。そのことにより、他の人も同じように故人を大切に思っていたことを確認する事が出来るのです。

追悼ビデオを作る

もう少しお手軽に、ほかの人とのつながりを形にしたいなら、追悼ビデオはどうでしょうか。家族や友人に、それぞれビデオで故人の話をしてもらうのです。遠方の人には、ビデオカメラと小型の三脚を送ってしまって、録画してもらうこともできます。今はパソコンの編集ソフトもありますから、プロ顔負けの追悼ビデオが出来るかもしれません。

一緒に訪れた場所に行く。一緒にした事をする。

大切な人と訪れた場所、例えば新婚旅行先にまた訪れる人もいます。その時の思い出が鮮明に思い出されるでしょうか。その時観た景色に亡くした人が思わず漏らした感嘆の言葉がまた聞こえるでしょうか。
故人と一緒に見た映画をまた見てみるのも一つの方法です。そのあと何を話したのか。青春の思い出がよみがえるかもしれません。
そして、これらの事をいま大切な人、例えば自分の子供や孫と一緒にしてみる人もいます。なぜその土地が、自分にとって特別な場所なのかを伝える良い機会かもしれません。

故人のやり残したことを継ぐ・共同作業を続ける

ナタリー・コールは父のナット・キング・コールが亡くなった後、父の歌声に自分の歌声を重ね、父の生前には実現できなかったデュエットを実現させました。故人のやり残したことをやったり、故人が希望していたことを実行したり、一緒に計画したが出来なかった事を一人で、あるいはほかの家族のメンバーと行ったりすることも出来ます。

  • 故人が行きたかった場所に行ってみる
  • 今まで自分が興味のなかった、故人がやっていた趣味を始めてみる。
  • 故人の残したレシピブックで料理をしてみる