グリーフケア、グリーフワークを学び、実践する人のための【グリーフ・サバイバー】

グリーフ、グリーフケア、グリーフワークについての考え方、特徴、理論、問題点等を、グリーフスタディーの入門者から中級者向けに解説。さらなる学びの足掛かりに。
主に、大切な方を亡くした方、それを支えたい方の為の、実践的悲しみとの付き合い方のヒント。グリーフについてのおさらい、具体的な方法、役立つリスト、等を紹介しています。
死別の苦しみに関する英知の言葉を集めたセクション。「悲しみ、痛みを表現する 」「故人との絆を続ける」などのテーマでまとめられ、考え、感じ、インスピレーションを得てください。

『死別をめぐるハンドブック』を差し上げています。

大切な人を亡くした遺族は、その別れのつらさや、環境の急激な変化に戸惑い、傷ついています。
しかし、グリーフ(死別の悲しみや辛さ、難しさ)についての情報は一般に知られることはなく、多くの人が間違った情報に翻弄され、また、サポートの無いまま孤独のうちに苦しんでいるのが実情です。また、遺族が健康に大切な人の死と向き合う為には、周囲の人からの支えが必要ですが、周りの人々も死になじみが無く、どのように支えていいのかわからなかったり、間違った励ましをしてしまうというようなこともあるようです。
そこで、大切な人を亡くした人、それを支えたい人に、死別にまつわる正確な情報を広く提供したい、そのような目的で「死別をめぐるハンドブック」が生まれました。
一般の方(大切な人を亡くした方、それを支えたい方)には無料でご提供しています。

詳しい情報、入手方法はこちら

なぜ今、このサイトが生まれたのか

グリーフとは死別の悲嘆の事。大切な人との別れはだれにとっても辛いものですが、その喪失を受け入れて、生きていく過程には、精神的、肉体的苦痛や、環境変化などに適応していく必要があります。かつては、親戚、友人、地域のコミュニティーやお寺が、死の直後だけでなく、その後の何か月、時には何年も、愛する人を亡くした人を支えて来ました。しかし、今日の社会では、社会環境の変化から、人々は死になじみがなく、地域からのサポートも少なく、死にどう対処していってよいのか不安に思っています。さらに、最近の東日本大震災のような大災害の際に、充分に遺族の心のケアが出来る人材がいないことが問題化してきています。
そのことから、「遺された人に寄り添い、支える」グリーフケアの必要性が認識されてきています。 しかし現在、グリーフケアはその黎明期にあり、専門のカウンセラーは数少なく、これに関する情報はネット、書籍上でも十分に提供されているとは言えません。このサイトでは次の3つを目標に、グリーフケア、グリーフワークを学び、実践する場が提供できたら、と考えています。

  • 死別を経験し、戸惑い、不安な「遺された方」に適応のヒントを掴んでもらう事
  • 大切な人を亡くした家族、友人を上手に支えたいと考える人に、正しい支え方を理解してもらう事
  • 遺族との接点があり、なんとか死別体験者を支えたい、と考える医療関係者、葬儀関係者、カウンセラー、警察・消防関係者の方々にグリーフとグリーフケアの考え方の基本を学び、日々のお仕事に生かして頂く事

このサイトの考え方

見つからない答えと癒しに戸惑う人々

死別の悲しみの只中にある方は、その苦しみの中で、どこかに「素晴らしい回答」や「痛みを癒してくれる方法」があるのではないか、と書籍やインターネットで情報を探されることが多いようです。しかし、みなさん一概に、「求めいるような情報は見つからなかった」と、がっかりされます。
お医者さんや、学者の書く文章はよそよそしく、彼らの書くような一般論には自分の苦闘が描かれているとも思えません。一方、死別の体験者が書いた文章は、時に共感を感じることが出来るかもしれませんが、あまりにも個人的な話で、そこにはあなたと著者をつなぐ共通項が見つからないかもしれません。時に、個人的な話は「自分がいかに特別な悲しみを経験したか」を強調するがあまり、そうでない体験をした人が傷つく事もあります。死別への「癒し」を謳う文章は、あまりに簡単に気休めの言葉を羅列し、素直には受け入れがたい…。

死と「折り合いをつけて生きる」方法を模索する、学びと気付きの場

そこで、もう少し、バランスの取れた、「死別の悲しみや痛み=グリーフ」の「学びと気付きの場」があっても良いのではないか、そういう気持ちでこのサイトが出来上がっています。
このサイトの基本的なトーンは、「死別の辛さに対する『答えや癒し』は探しても見つからない」、という事にあります。それは、「グリーフ」が、故人が、世界でただ一人の人間であったように、そして遺された者が世界でただ一人の人間であるのと同じように、ただ一つの形を取るからです。ですから、人はそれぞれ、自分だけの為に「なんとか死別という事実と折り合って生きていく方法」を見つけ出す必要があるのです。
その為に、このサイトは「英知のセクション」で感じ、考え、インスピレーションを得、「グリーフ研究」で学び、「実践的グリーフとの付き合い方」で実践の方法のヒントをつかむ、というような多面的なアプローチを心がけています。

支えたい人のための足掛かり

一方、周りにいる親しい人を亡くした人を支えたい、お仕事の中で大切な人を亡くした人と接する機会があるので、グリーフについて学びたい、という方には、グリーフについての考え方や支え方を学ぶ足掛かりとなると考えています。

全ての人がグリーフ・サバイバーにという想い

サバイバーという言葉をご存知でしょうか。「サバイバー」は直訳すれば「生き残り」ですが、これが最近、様々な困難な状況と共に生きる人、という意味でも使われるようになって来ています。例えば「がんサバイバー」。ここには、がんになった後に「長期に生存している」という意味だけではなく、がんと共にに、生ある限り人間らしく、さらには自分らしく生きるという意味がこめられています。
グリーフ・サバイバーは死別という大きな喪失を経験しつつ、故人との繋がりを大切にして、勇敢に、意味ある生を生きる人です。人は皆、人生の中で死別を経験します。その時、あなたか、あなたの家族が、グリーフ・サバイバーである必要があるのです。このサイトが、グリーフと共に生きるための情報提供の場になれば幸いです。

このサイトが対象としている方々

このサイトはこんな方たちを対象に製作されています。

  • 現在グリーフの只中にある方
  • 家族や友達のために自分ができる事はないか?と考えている方
  • グリーフケアについて学びたい方
  • 患者さんの死に接することが多く、患者さんの遺族に自分でも何かできる事はないかと試行錯誤している医療関係者の方
  • 遺族に接することの多い仕事をしている葬儀関係の方
  • 遺族に接することの多い警察関係者などで、職務を行いながらも少しでも遺族の心に負担をかけたくないと考えている方
  • 現在、すでに様々な分野でカウンセラーとして仕事をされているが、グリーフケアの部分の幅を広げたいと感じている方